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化学分析で深堀り!~兎ッ兎ワイン編~
鳥取の気候風土を活かしたワイン
鳥取市内で唯一のワイナリーが「兎ッ兎ワイナリー」です。
「兎ッ兎ワイナリー」のある鳥取市国府町は古来より稲作農耕文化が花開き、地域の政治・経済・文化の中心として栄えてきました。さらに、山々に囲まれた広大な盆地を貫くように川が流れており、昔からブドウ栽培が盛んに行われていました。ブドウ栽培70年の歴史を持つ国府町の光、風、水、土、生き物など気候風土によりもたらされたブドウでワイン造りを行っています。
鳥取市と公立鳥取環境大学の連携の第 2 弾は、鳥取市国府町で生産されているワインです。「兎ッ兎ワイナリー」のある鳥取市国府町は古来より稲作農耕文化が花開き、地域の政治・経済・文化の中心として栄えてきました。さらに、山々に囲まれた広大な盆地を貫くように川が流れており、昔からブドウ栽培が盛んに行われていました。ブドウ栽培70年の歴史を持つ国府町の光、風、水、土、生き物など気候風土によりもたらされたブドウでワイン造りを行っています。
ワインの魅力を、含まれる成分の観点から解説していただきました。
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・ | 【化学分析担当】
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ワインの色素
ワインの持つ魅力の中でも、人々の心を惹きつけてきたのは、その深みのある赤色と言えるでしょう。この美しい色彩の源となるブドウの色素は、アントシアニンと呼ばれ共通の分子構造を持っています。このアントシアニンは、ブドウだけでなく、リンゴやブルーベリーなどの果実、また赤や紫、青の花々の色彩をも生み出している色素成分でもあります。現在では健康への恩恵が広く知られるようになったポリフェノール、その8000種類以上もある豊かな世界の中に、このアントシアニンも属しているのです。
健康によいと認識されるようになったポリフェノールですが、味わいの面では多くが渋味という個性を持っています。お茶の渋み成分として知られるカテキンも、ポリフェノールの仲間です。
ブドウの色素であるアントシアニンはブドウの成熟とともに果皮の中で徐々に豊かさを増し、ワインの発酵と熟成の過程でその分子形状を複雑に変化させます。この形状の僅かな違いがそれぞれ異なる色合いを生み出します。
これらの変化した分子は、タンニンとしても知られワインに特徴的な渋味を与えています。この化学的な変容こそが、熟成によってワインの色合いと味わいが変化していく神秘の源となっているのです。
ブドウのアントシアニンの蓄積は、生育期の多雨や成熟期の高温によって影響を受けることがあります。品種特性と栽培環境がワインの個性を生み出しています。ヤマソービニオンや小公子といった品種は、マルビンという特定のアントシアニンを豊富に含み、より深い赤色のワインを生み出す特性を持っています。
兎ッ兎ワインいろいろ
400年の歴史を誇る「鳥取の生姜」
鳥取県内随一の生姜の産地鳥取市気高町では、400年以上も前から生姜栽培を行っています。江戸時代初期、鹿野城主・亀井茲矩公が御朱印船貿易で東南アジアから生姜を持ち帰った事が始まりとされ、以来、昔ながらの生姜づくりを守っています。地元の集落には、今でも先祖代々受け継いだ「生姜穴」とよばれる洞窟が残っており、収穫した生姜を5ヶ月程度寝かせ熟成させます。熟成した生姜は辛味や香りがより深まり、しっかりとコクがある「鳥取の生姜」となります。
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今回、鳥取市と公立鳥取環境大学は、この伝統的な栽培をしている「鳥取の生姜」の加工品にフォーカスして、商品の特色を化学分析によりデータで示すことを目的に連携しました。
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今回、鳥取市と公立鳥取環境大学は、この伝統的な栽培をしている「鳥取の生姜」の加工品にフォーカスして、商品の特色を化学分析によりデータで示すことを目的に連携しました。
化学分析の実施
生姜にはカリウム、マグネシウムなどの栄養素が含まれていますが、血行促進等の作用がある2つの辛味成分「ギンゲロール」と「ショウガオール」に着目し、生姜の加工品に含まれる成分の含有量を分析しました。
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分析結果について
ショウガオールの含有量は、「ジンジャーシロップ1ml」に57μg、「生姜パウダー1g」に360μgであり、生姜1gと比較してそれぞれ約13倍、約85倍多かった。ギンゲロールは加熱・乾燥により一部がショウガオールに変化するため、加工することにより含有量は減るが、「ジンジャーシロップ1ml」に140μg、「生姜パウダー1g」に6300μg含まていた。
(1gあるいは1ml当たりの含有量μg)
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この結果から、25mlの「ジンジャーシロップ」を加えた生姜ドリンク1杯と「生姜パウダー1g」は、辛味成分総量として生の生姜それぞれ約10g分、約14g分を摂取できることになる。 | ||
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